本記事ではオートレースの整備にまつわる単語を一部まとめてご紹介します。
これをマスターして選手コメントを聞けば更にオートレースを楽しむことができますね!!!
オートレースでは選手の腕に加えて、整備も大きく勝敗に関わっています。その整備は選手自身が行い、レースに臨んでいます!
バイク
フレーム
・バイク全体の骨組み。
・落車後は基本的に新しいフレームに交換する。
落車後は、新しいフレームに交換することがほとんどのようです!
ミッション
・ローからトップにギアを切り替える部分。
・ミッション内にあるギア板を交換して調整。
・レース車両のギアはロー・トップのみ。
スタート後にローからトップに入れたら、レースはアクセルワークのみで走ります!
クランク
・エンジンの心臓部位。
・選手が整備で最も気を遣う部分。
軽いほうがセッティングしやすく、軽めにしている選手が多いようです。
選手コメントでよく耳にする「回転数が上がらない」とはクランクのこと!
クランクケース(ケース)
・クランクを軸受けで支え、包み込む。
・変形したり左右の軸受けがズレるとクランクの回転に影響を及ぼす。
調整すると違反となるため整備は交換のみ!
メタル
整備は交換だが、いかに抵抗なくクランクを回せるかを調整していく。
全3種類
・ケースメタル
クランクケースの軸受け部分に使われる。
・スラストメタル
クランク部分に使われる。
・ロッドメタル
ロッド部分に使われる。
メタルのあたりが悪いとエンジン周りに大きな影響を及ぼします!
ヘッド
エンジンの最上部。
中にバルブ・バルブスプリング・カムシャフトがある。
・バルブ
ガソリンを燃焼室へ送り、燃焼後マフラーへ排気する。
圧縮強度を上げるための調整。
この作業は特別検査室にて検査員の監視のもと行う。
・バルブスプリング(バネ)
このバネの強弱によってバルブの開閉に大きな影響を及ぼす。
他のパーツとのあたりにもよるがバネを強くすると高回転で瞬発力を高め、
弱くすると低回転で先伸びが出る。
・カムシャフト
バルブの開閉タイミングを調整。
このタイミングで吸気と排気の度合いが変わる。
細かいヘッド周りですが、「ヘッド周り」の調整とは爆発力を高めるためのタイミングや度合いの調整になります!
シリンダー
・エンジンの燃焼が行われる部分。
・この中でキャブで作られた混合気が爆発したり、ピストンが上下する。
整備は主に交換で、シリンダー自体の交換となります。
電気
・シリンダー内にあるプラグ内の発火タイミングの調整。
・27度~37度でメモリがあり、その間で調整する。
・1度変えるだけで大きく変わることもあるため、0.5度・0.25度の細かい調整をする。
・いかにエンジンに合ったタイミングで点火する調整にするかが重要。
数字が大きいほど伸びにつながり、小さいと立ち上がりに強さが出ます!
ピストン
・シリンダー内部を上下する部品。
・ガソリンを圧縮させる。
・シリンダーに合わせてピストンの大きさを変え、間隔を調整する。
消耗が激しいため基本的には定期交換するが、パワーを求めて交換することもあるそうです。
クラッチ
・エンジンの動力をリアタイヤに伝える部分。
・クラッチ版が中に入っていて、それを滑りすぎず食いつく自分に合った組み合わせにする。
主にスタートに影響を与えます!
キャブ
・キャブレターの略。
・ガソリンと空気の混合気を作り、シリンダー内部に送り込む。
整備的にも大がかりではないため選手が一番扱う部分で、
他のパーツや気候とで当たりはずれがあるため毎日のように調整されています!
フォーク
前輪の衝撃を吸収する部品。
スプリングフォークとオイルフォークの2種類あり、選手は自分に合ったものを選択する。
スプリングフォーク採用している選手のほうが多い。
・スプリングフォーク
バネを利用したフォーク。
バネを交換して組み合わせを換えるなどして自分に合ったセットを探す。
オイルフォークよりも重い。
タイヤの接地感が薄くなるが、ハンドリング性能が良くなる。
・オイルフォーク
オイルによって抑制するフォーク。
スプリングフォークより軽い。
自分に合ったセットが見つかるとそのあとは大きく扱うことは少ない。
ドドド対策や乗りやすさを求めて整備をします!
タイヤ
選手たちが整備するのはバイクだけではありません!
タイヤもレースに大きく関わるものであるため、選手は細心の注意をはらって決定します。
タイヤ選びを間違えればレースで後退。それどころか他の選手に迷惑をかけてしまうことだってあります。
タイヤは走路との唯一の接地面でこのタイヤこそが、最高速度150㎞/hの超高速レースを可能にしているといっても過言ではありません!
オートレースでは、コーナーでの接地性を良くするためにタイヤの断面が三角形になっている「三角タイヤ」というものが採用されています。
タイヤ整備
選手が新品で購入するタイヤですが、「三角タイヤ」であっても接地性が十分ではないため、すぐに使用できるわけではありません。
「当たり付け」といった慣らし走行などを行う必要があります。
新品のタイヤは以下の工程を経て、レースで使用できる状態になります。
・サンダーを用いて、タイヤ表面のイボを削る。
・リムの状態を整え、タイヤをはめてバランス機で調整。
・サンダーを用いて、トレッド面を削る。
・走路を走行して当たり付けを行う。
タイヤ種類
フロントタイヤには「ウインタータイヤ」と「サマータイヤ」があり、
「ウインタータイヤ」は素材が少し柔らかく冬場に使用するそうです。
この「ウインタータイヤ」はリアに使うと滑って走れないため、フロントのみに使用されます。
また、「晴れタイヤ」・「雨タイヤ」とよく聞きますが実は同じタイヤなんです!
雨用の特別なタイヤがあるわけではなく、サンダーなどを用いて表面を削り、当たり付けをすることで選手自身が「晴れタイヤ」・「雨タイヤ」と呼ばれるものを作っていきます。
タイヤのあれこれ
・購入頻度
出走回数にもよりますが、月に1回の注文で2~7本程度購入します。
場合によっては当たりを狙って10本程度購入することもあるそうです。
・ストック
選手によってですが7本前後の方が多いようです。
しかし、20本程度ストックしている選手もいるようです!
・寿命
3~5R程度で、これを過ぎても履いて走行することは可能ですが酷い滑りとなるためレースで使用することは難しいです。同じタイヤで4R目・5R目を走っている選手に注目して見てみると、レース終盤の滑りが目立っていることが稀にあります。
まとめ
もちろんこの中から更に細かい部品に分けられたりと、覚えるだけでも頭が痛くなるような量です。選手たちはこれらを養成所で1から学び、すべて選手が組み立て、自ら整備をしてレースに臨みます。1つ1つの部品は各場の部品庫で選手自らが購入しています。お金をかければ速くなるわけではありませんが、トップレーサーになると年間1,000万円ほど整備にお金をかけるそうです!
オートレースでは車の調整・整備が個々に委ねられているからこそ、それ次第で勝敗の行方も大きく変化します。速ければいいわけではなく、自分の捌きスタイルに合っている車に仕上がっているかなど様々なことが複雑に重なっています。
SGを優勝するときは選手本人も「完璧に仕上がった」と言い切れるほどの車の時がほとんどのようで、上がりタイムが出ていても「状態は良いけどこのままじゃ優勝はできない」というSG優勝戦前のトップレーサーのコメントをよく目にしますが、一人の選手を追いかけて状態を常に把握しながら観戦するのも面白そうですね!
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