オートレーサーの森且行が2026年8月3日、川口オートレース場で行われた「テレ玉presents 川口ナイトレース」の優勝戦を制し、5年9カ月ぶりとなる優勝を飾った。2020年11月3日のSG第52回日本選手権オートレース以来、実に2099日ぶり。2023年4月の戦線復帰後では初めて、通算では33回目の優勝となった。

2位入線から繰り上がりで優勝

優勝戦は3100メートル、6周回の良走路で実施された。森は20メートルのハンデから3号車で出走。試走タイム3.31、スタートタイミング0.09でレースを迎えた。

序盤は枠なりの3番手でスタートしたが、6号車の小林瑞季が1周3コーナーで内側へ進出。森は接触を回避するため外へ進路を取り、一時4番手へ後退した。小林の走行は審議対象となったものの、森はレースを止めることなく前を追った。

4周目に3番手へ浮上すると、最終6周目の3コーナーで逃げる菅原すずのをかわし、2番手でゴール。先頭で入線した小林が反則妨害による失格となったため、森が繰り上がって1着となった。確定後の競走タイムは3.404、単勝は2番人気だった。

自ら先頭でゴールした形ではなかったため、森は優勝決定直後に戸惑いも見せた。それでも、審議の可能性を考えながら最後まで2着を狙って追い上げた冷静な走りが、復活優勝につながった。

SG初制覇直後に襲った大事故

森は2020年11月、川口で開催された日本選手権オートレースを制し、デビュー24年目で悲願のSG初優勝を達成した。しかし、その約3カ月後の2021年1月24日、飯塚オートのレース中に落車。肋骨骨折、骨盤骨折、腰椎破裂骨折などの大けがを負った。

複数回の手術と長期にわたるリハビリを経て、2023年4月6日に川口で802日ぶりの実戦復帰を果たす。復帰初戦を勝利で飾った一方、優勝にはなかなか届かず、今回までに優勝戦へ32回進出していた。

復帰後も体の状態と向き合いながら走り続け、約3年4カ月をかけてようやく頂点へ戻った。事故からの復帰だけでも大きな挑戦だったが、52歳で再び優勝を成し遂げたことは、森の執念と競技への強い思いを象徴する結果となった。

エンジンを下周りから組み直して上向き

森は優勝後、最近まで肘の状態が悪く、十分な整備ができなかったことを明かしている。肘の状態が改善した今節は、エンジンを下周りから組み直し、全体的な反応が良くなったという。

ただし、本人の評価は「やっと普通になったという感じ」。優勝に満足する様子はなく、さらなるエンジンの上積みが必要だと冷静に分析している。

次走は8月11日に伊勢崎オートで開幕するSG第30回オートレースグランプリ。森は通常マフラーを使用する伊勢崎の方が乗りやすいとして、次節への手応えを口にした。

2020年のSG制覇、大事故、長期離脱、そして復帰後32回の優出を経てつかんだ通算33回目の優勝。繰り上がりという形ではあったものの、最後まで諦めず2番手まで追い上げたからこそ訪れた勝利だった。森且行の復活劇は、ここから新たな段階へ進む。

 

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