10月4日にパリロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞(G1、芝2400メートル)で、新たな有力候補として浮上しているのが英国調教馬サダッド(Saddadd)だ。9月6日のバーデン大賞でG1初制覇を達成。しかも2400メートル初挑戦でキャリア最高のパフォーマンスを見せ、ロジャー・ヴァリアン調教師も凱旋門賞参戦を明言した。前売りでは33倍前後と依然伏兵評価だが、近走の上昇度と距離適性を考えれば無視できない存在になっている。

3歳時はハンデ戦から着実にステップアップ

サダッドは2022年生まれの4歳牡馬。父は名2歳馬ピナトゥボ、母タルマダ、母父ケープクロスという血統で、ゴドルフィンの生産馬。シェイク・アーメド・アル・マクトゥームが所有し、英国ニューマーケットのロジャー・ヴァリアン厩舎が管理している。

本格化したのは3歳となった2025年。5月のニューベリーで行われたロンドンゴールドカップを勝利すると、8月のサンダウン芝2000メートルのハンデ戦も1馬身3/4差で快勝。秋のリステッドでは3着だったが、ヴァリアン師は以前から成長に時間が必要な大型馬とみて無理をさせず、4歳シーズンへ向けてじっくり育ててきた。

その方針が今年になって一気に実を結ぶことになる。

2026年初戦で重賞初制覇

4歳初戦となった4月のゴードンリチャーズSでは、いきなりG3へ挑戦。サンダウン芝2000メートルでキングオブシティーズを1馬身3/4差で退け、重賞初制覇を飾った。

続くタタソールズゴールドカップではG1へ初挑戦。後方から直線で伸び、アルマカム、ベイシティローラーに続く3着に入った。勝ち馬から2馬身3/4差で、前年の凱旋門賞2着馬ミニーホークにも先着。G1でも十分戦えることを証明した一戦だった。

7月のエクリプスSではコンスティテューションリバーから8馬身差の4着。結果だけを見れば物足りないが、ヴァリアン師は以前から「この馬のベストはまだ先」と成長力を強調しており、その評価が正しかったことを次走で示す。

バーデン大賞で2400m初挑戦からG1制覇

9月6日のバーデン大賞がサダッドの評価を大きく変えた。

それまで主に2000メートル前後を使われてきたが、初めて2400メートルへ距離を延長。道中は中団で脚をため、直線では世界各地のG1で活躍してきたジアヴェロットを目標に進出した。

一度はフランスのパラシュティストに先頭を奪われたものの、外から再び伸びて最後は半馬身差で競り勝った。勝ち時計は2分27秒66。3着ブライトライトにはさらに2馬身差をつけ、1番人気ジアヴェロットは4着に退けた。

ヴァリアン師も「フロックではなく、今日のベストホースが勝った」と高く評価。初めての2400メートルでキャリア最高の走りを見せたことから、レース後に凱旋門賞が現実的な目標として浮上した。

バーデン大賞後も状態良好、凱旋門賞が「プランA」

最新の陣営コメントでは、バーデン大賞後の反動もなく状態は良好。ヴァリアン師は9月16日に「プランAは凱旋門賞」と明言している。

特に強調しているのが、サダッドがまだ成長途上であること。大型で力強い馬体を持ち、4歳秋になってようやく完成へ近づいてきたという。2400メートル初挑戦で自己最高のパフォーマンスを出しただけに、同距離でさらに上積みがあっても不思議ではない。

また陣営は「秋の馬場をこなせる」点も強みとして挙げている。サダッドは2025年にソフト馬場で勝利しており、良馬場でも重賞を制覇。10月のパリロンシャンで雨が降っても大幅に評価を下げる必要はなさそうだ。

バーデン大賞は凱旋門賞とも相性の良い前哨戦

バーデン大賞から凱旋門賞というローテーションには成功例がある。2011年のデインドリーム、2021年のトルカータータッソはともにバーデン大賞を勝った後、パリロンシャンでも優勝している。

ドイツの2400メートルG1は、スピードだけでなくスタミナと持続力が要求される点でも凱旋門賞につながりやすい。サダッドもバーデンでは最後まで脚色を落とさず、競り合いを制した点が印象的だった。

最大の課題は相手強化と斤量

一方、凱旋門賞では前年覇者ダリズを筆頭に、マルティーズクロス、カルパナ、ヴァランディールなど世界トップクラスがそろう。

サダッドのバーデン大賞勝利は高く評価できるものの、2着パラシュティストとの差は半馬身。凱旋門賞の最上位勢を明確に上回るだけの実績を残したとはまだ言い切れない。

さらに4歳牡馬のサダッドは59.5キロを背負う見込みで、56.5キロの3歳牡馬とは3キロ差がある。成長著しいマルティーズクロスやヴァランディールに対して、この斤量差は大きなハードルとなる。

前売り市場でも現時点では33倍前後。ダリズの2倍台、マルティーズクロスの6倍前後などと比較すれば、評価はまだ伏兵クラスにとどまっている。

上昇度なら今年のメンバーでも上位

ただし、サダッドには他の有力馬にはない「まだ底を見せていない」という魅力がある。春にG3を勝ち、G1で3着、そして秋には初の2400メートルでG1制覇。一戦ごとに課題をクリアしながら能力を引き上げてきた。

パリロンシャン初経験、多頭数への対応など未知の部分は残るが、馬場が多少悪化してスタミナ勝負になれば浮上する可能性は十分。現時点ではダリズら本命級より一段下の評価になるものの、バーデン大賞からさらに成長してくれば上位争いまで期待できる。

前売り33倍前後という評価を考えれば、今年の凱旋門賞で最も面白い伏兵候補の一頭と言えそうだ。

凱旋門賞2026 有力度:★★★☆☆(有力な伏兵候補)

 

★おすすめ★ オートレースくじ「当たるんです」

「当たるんです」は当選確率1/64~1/4096で《最大143万円》が当たる!公営競技(オートレース)をロトくじ感覚で楽しめるサービス!事前知識は一切不要!

◆当たるんですのご登録はこちら(入会費・年会費 無料)