【凱旋門賞2026展望】海外調教馬の有力候補は?前年覇者ダリーズを中心に欧州勢を分析

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2026年の凱旋門賞(G1、芝2400m)は10月4日、フランス・パリロンシャン競馬場で行われる。5月の第1回登録にはフランス27頭、イギリス21頭、アイルランド12頭、ドイツ6頭、日本7頭の計73頭が名を連ねたが、夏競馬を経て海外勢の勢力図は徐々に鮮明になってきた。8月18日現在、欧州の前売り市場で明確な中心となっているのは2025年覇者ダリーズ(Daryz)。これを3歳勢のコンスティテューションリバー(Constitution River)、牝馬のダイヤモンドネックレス(Diamond Necklace)、キングジョージを制したカルパナ(Kalpana)らが追う構図である。
本命候補は連覇を狙うダリーズ
現時点で最も「凱旋門賞を勝つ姿」を想像しやすいのは、やはりフランシスアンリ・グラファール厩舎の4歳馬ダリーズだ。父は2009年の凱旋門賞馬Sea The Stars。2025年は初めて2400mに挑んだ本番でミニーホークとの壮絶な叩き合いを頭差で制し、今年は連覇を目標に現役を続行した。
4歳初戦のガネー賞では3馬身半差の完勝。続く旧イスパーン賞、現在のアガ・カーン4世賞でも1850mという短い距離を問題にせず3馬身半差で勝利し、2400mだけのステイヤーではない高いスピード能力を示した。ロイヤルアスコットのプリンスオブウェールズSではオンブズマン、ミニーホークに続く3着に敗れたものの、その後の検査で体調が万全ではなかったことが判明。陣営は夏場を休養に充て、9月6日のフォワ賞から凱旋門賞へ向かうプランを描いている。
ロンシャン2400mをすでに勝っている経験値、道悪から速い馬場まで対応できる幅、そして中距離でも通用する瞬発力。凱旋門賞への適性という点では今年もメンバー随一で、前売り市場で単独の一番人気に支持されるのも自然だろう。
最大の上昇株・コンスティテューションリバー
対抗格として急浮上しているのがエイダン・オブライエン厩舎の3歳牡馬コンスティテューションリバーだ。Wootton Bassett産駒で、今年は仏ダービーを制覇すると、古馬との初対決となったエクリプスSも3馬身差で快勝。距離や展開への対応力が高く、陣営からは1600mから2400mまで守備範囲に入ると評価されている。
次走は8月19日の英インターナショナルS。ここでは世界トップクラスのオンブズマンとの対戦が予定されており、この一戦が凱旋門賞の勢力図を大きく左右する。2400mの実績ではダリーズやカルパナに劣るものの、3歳馬には本番で斤量面の恩恵があり、秋までの成長力も無視できない。ヨークで古馬最強クラスを破るようなら、一気にダリーズと並ぶ本命候補まで上昇しても不思議ではない。
無敗の女王ダイヤモンドネックレス
今年の欧州3歳牝馬で最も注目したい存在がダイヤモンドネックレスだ。2025年のマルセルブサック賞を勝った後も連勝を続け、今年は仏1000ギニー、仏オークスに続いてナッソーSも制覇。ナッソーSでは直線で楽に抜け出し、2着Friendly Soulに2馬身3/4差をつけ、デビューから無傷の6連勝とした。
問題は2400mをまだ走った経験がないこと。現在までの主戦場は1600~2100mで、凱旋門賞では一気に距離が延びる。ただし能力そのものについては疑う余地がなく、前売りでもダリーズ、コンスティテューションリバーに続く上位評価。オブライエン師も凱旋門賞を選択肢として認めており、次走の内容を見て距離路線を決める構えだ。2400mを克服できるなら、一気に主役へ躍り出る可能性を秘める。
キングジョージ覇者カルパナは完成度で勝負
古馬勢ではカルパナも忘れてはならない。2025年のキングジョージではカランダガンの2着だったが、今年7月25日の同レースではそのカランダガンを逆転。欧州最高峰の2400m戦で結果を残し、凱旋門賞候補として再び評価を高めた。
最大の強みは、すでに古馬の一線級を相手に2400mで勝ち切っている点だ。前年の凱旋門賞では枠順などが噛み合わなかったが、能力そのものは当時から高く評価されていた。8月20日のヨークシャーオークスにも登録しており、ここでも有力視されている。5歳牝馬だけに3歳馬ほどの伸びしろはない一方、完成度と距離適性では今年の候補中トップクラスである。
エストレンジ、サンダリングオンも圏内
伏兵以上の評価が必要なのがエストレンジ(Estrange)だ。5歳となった今年はさらに力を付け、6月のプリティポリーSで待望のG1制覇。後方から進出してサンダリングオンを退けた。速すぎる馬場より少し時計のかかる馬場を好むタイプで、秋のロンシャンが雨に見舞われれば評価を大きく上げたい。ヨークシャーオークスを回避し、ジャンロマネ賞またはヴェルメイユ賞を経由する案が示されており、陣営も凱旋門賞を秋の大目標の一つに挙げている。
3歳牝馬サンダリングオン(Thundering On)も面白い存在。エプソムオークスでは後方から豪快に突き抜け、3馬身3/4差の圧勝を飾った。プリティポリーSではエストレンジの4着、愛オークスは体調面から当日取消となったため評価を少し落としているが、Frankel産駒らしい能力の高さと2400m適性は証明済み。状態を立て直せれば再浮上できる。
さらに前年2着のミニーホーク(Minnie Hauk)、愛ダービー馬ベンヴェヌートチェッリーニ(Benvenuto Cellini)なども候補に残る。ミニーホークは今年のキングジョージで8着と崩れたが、前年の凱旋門賞ではダリーズと頭差。ロンシャン適性だけを考えれば簡単には切れない。
今年は「絶対的1強」ではなくダリーズ中心の混戦
8月18日時点の序列をまとめるなら、第一候補ダリーズ、追うコンスティテューションリバー、ダイヤモンドネックレス、カルパナ、その後ろにエストレンジ、サンダリングオンらが続くという形だろう。前売り市場でもダリーズが7/2前後で一歩抜け、ダイヤモンドネックレスとコンスティテューションリバーが8/1前後、カルパナ、エストレンジ、サンダリングオンが10~14/1前後のゾーンを形成している。
ただし、この序列はまだ確定ではない。8月19日の英インターナショナルS、20日のヨークシャーオークス、そして9月6日のフォワ賞・ニエル賞・ヴェルメイユ賞という「Arc Trials」で一気に変化する可能性がある。特にコンスティテューションリバーの古馬トップ級との力関係、ダリーズが休養明けでどこまで戻ってくるか、そしてダイヤモンドネックレスが2400m路線へ進むのか。この3点が、2026年凱旋門賞の海外勢を占う最大のポイントとなりそうだ。
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