2026年8月22日、英国ヨーク競馬場で行われるシティオブヨークステークス(G1)に、日本のサトノレーヴが挑戦する。2025年にG1へ昇格したばかりの芝7ハロン戦だが、短距離馬とマイラーが正面からぶつかる欧州でも貴重なカテゴリーの一戦。今年はG1・5勝のノータブルスピーチを筆頭に、テンボブトニー、レイクフォレスト、ザヴァテリなど欧州の有力馬が集まり、サトノレーヴにとって海外G1初制覇を懸けた大一番となる。

シティオブヨークステークス2026基本情報

項目内容
開催日2026年8月22日(土)
競馬場ヨーク競馬場(イギリス)
格付けG1
距離芝7ハロン(約1408m)
出走条件3歳以上
賞金総額60万ポンド
1着賞金34万260ポンド
発走予定現地15時00分/日本時間23時00分ごろ
2025年優勝馬ネヴァーソーブレーヴ

シティオブヨークSは長くリステッド、G3、G2として施行されてきたが、競走水準と賞金額の上昇を受けて2025年からG1へ昇格。英国・アイルランドでは初となる古馬混合の7ハロンG1となった。欧州全体でも同距離の古馬混合G1は秋のフォレ賞と並ぶ貴重な存在で、1200mを主戦場とするスプリンターと1600mのマイラーが交差するレースとして注目度が高い。

ヨークの7ハロン戦はシュートから発走し、コース後半には非常に長い直線が待っている。小回りで一瞬の加速力を問われる1400mとは異なり、高い巡航速度を長く維持する能力が重要。スプリント能力だけでも、マイルのスタミナだけでも押し切りにくく、「速さを維持できる1400m型」が理想となる。

サトノレーヴ、欧州遠征3戦目で悲願なるか

日本の中心はもちろんサトノレーヴ。2025、2026年の高松宮記念を連覇し、現在の日本短距離界を代表する存在となった。今年の高松宮記念では中京芝1200mを1分06秒3で駆け抜け、レースレコードで2馬身差の完勝。単純な瞬発力だけではなく、高速ラップを最後まで維持する能力は世界でもトップクラスにある。

春の香港チェアマンズスプリントプライズではカーインライジングに続く2着。その後は英国へ渡り、6月のクイーンエリザベス2世ジュビリーSでアルメラクとハナ差の2着に惜敗した。続くジュライカップでは序盤から積極的に運び、最後はコマンチェブレーヴらに交わされたものの3着。英国の異なる競馬場で続けてG1上位争いを演じたことで、欧州芝への適性についてはもはや疑う必要がない。

今回最大の焦点は1200mから1400mへの距離延長だろう。ただし、サトノレーヴはデビュー当初に中山芝1600mを勝っており、2024年の阪急杯では重馬場の芝1400mで4着。現在ほど完成する前の時期だったことを考えれば、「1400mでは長い」と断定できる材料ではない。

むしろ今年のクイーンエリザベス2世ジュビリーSでは1200mを走り終えたところでも脚色が衰えず、ジュライカップでも自らレースを作って3着に粘った。近年は以前より中団で脚をためる競馬もできており、ヨークの1400mなら1200m戦ほど序盤から急かされずに済む点がプラスに働く可能性もある。

鞍上は再びジョアン・モレイラが騎乗する見通し。モレイラはサトノレーヴについて非常に高い評価を与えており、発馬さえ決まれば世界最高クラスを相手に勝てる能力があるとみている。短すぎる1000mよりも、多少スタートで遅れても立て直す時間がある1400mの方が、この馬には合っているという見方もできる。

最大の強敵ノータブルスピーチ

欧州勢の中心はノータブルスピーチ。これまでG1を5勝している実績馬で、2026年初戦のロッキンジSでは直線で鋭い加速を見せて2馬身差の快勝。BHAレーティングもメンバー最上位クラスで、現地前売り市場でも中心視されている。

前走クイーンアンSでは6着に敗れたが、本質的には速い馬場で強烈な瞬発力を使うタイプ。主戦場は1600mながら陣営は1400mへの距離短縮に前向きで、ヨークのスピードが出るコースも合いそうだ。サトノレーヴとは「1200mから延長する馬」と「1600mから短縮する馬」の対決となり、まさにこのレースを象徴する組み合わせになる。

テンボブトニー、レイクフォレストも強敵

テンボブトニーは今年のクイーンアンSを50倍級の人気薄で制したG1馬。単なるフロックではなく、その後のサセックスSでも4着に入り、トップマイラー相手に通用することを証明した。1600mから1400mへの短縮で追走が忙しくなる可能性はあるものの、能力は上位だ。

レイクフォレストは昨年のシティオブヨークS2着馬。今年7月には同じ7ハロンのレノックスSを制しており、距離適性という意味ではメンバー屈指。翌日に連闘したサセックスSでは7着だったが、それを度外視すれば今年も有力候補となる。

3歳馬ではザヴァテリに注目したい。2歳時に愛G1ヴィンセントオブライエン・ナショナルSを勝った実力馬で、春は調整遅れによりクラシックを回避。復帰戦となったサセックスSでは5着だったが、陣営はその一戦で状態が大きく上向いたとしている。今回は得意とみられる1400mへ短縮するうえ、3歳馬は古馬より軽い斤量で出走できるのも強みだ。

ほかにも英1000ギニー馬トゥルーラブ、レノックスS2着のローグディプロマット、ミンストレルSを勝ったパワーブルー、オークツリーSで1400mを克服したフローラオブバミューダなどがおり、G1昇格2年目にして非常に層の厚いメンバーとなった。

サトノレーヴは「1400m」がむしろ突破口になるか

サトノレーヴにとって今回のポイントは、1400mをどう乗るかに尽きる。ジュライカップのように序盤から先頭争いへ参加すると、最後の200mでマイラー勢のスタミナに屈する可能性がある。一方、クイーンエリザベス2世ジュビリーSのように好位~中団で我慢し、直線半ばから長く脚を使えれば十分勝負になる。

ヨークは直線が長いため、早めに動いて押し切ろうとするよりも、ノータブルスピーチやレイクフォレストを射程圏に置きながら仕掛ける形が理想だろう。サトノレーヴ自身の高速決着への強さを考えれば、良馬場で時計が速くなればなるほど期待は高まる。

これまで香港ではカーインライジング、英国ではラザットやアルメラクといった世界トップ級を相手に何度も惜敗してきたサトノレーヴ。能力的には海外G1タイトルに手が届くところまで来ている。スプリンターとマイラーが入り乱れる特殊な7ハロンG1は決して簡単な条件ではないが、1200mではあと一歩届かなかった同馬にとって、この200mの距離延長が悲願達成への突破口になる可能性は十分にある。

 

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