2026年8月15日の中京競馬で、近年の中央競馬ではほとんど見られない珍しい番組変更が行われた。当初2Rに予定されていた「2歳未勝利・芝2000m」が出走頭数不足で取りやめとなり、代わりに4Rの「3歳未勝利・芝1400m」を2つに分ける「分割競走」が実施された。

実際の開催では2Rが「3歳未勝利・芝1400m 分割B」、4Rが同条件の「分割A」となり、それぞれ15頭立てで行われた。分割競走が中央競馬で実施されたのは約23年ぶりという極めて珍しい出来事だった。

なぜ中京2Rは取りやめになった?

原因は天候や競馬場のトラブルではなく、単純に出走を希望した馬が少なすぎたことだった。

8月13日に行われた出馬投票で、2歳未勝利・芝2000mへの申し込みはわずか3頭。JRAの競馬番組一般事項では、原則として出走申込馬が4頭以下の場合、その競走を取りやめることになっている。3歳未勝利については基準がさらに1頭多く、5頭以下で取りやめとなる。

今回は最低限必要となる5頭に届かなかったため、予定されていた2歳芝2000m戦そのものが消滅した。

なお、JRAは「なぜ3頭しか申し込まなかったのか」について個別の理由を発表していない。ただ、8月中旬という2歳シーズン序盤に芝2000mを走れるのは、すでにデビューを済ませ、なおかつ陣営が2000mを選択する未勝利馬に限られる。

実際、7月26日に中京で行われた2歳新馬・芝2000mも6頭立てだった。この時期は1200~1800mの新馬・未勝利戦が中心であり、2000mを選択する2歳馬の母数自体がまだ小さい。今回はそうした番組上のタイミングが極端な少頭数につながった可能性が高い。

消えた1レースを「分割競走」で補充

興味深いのは、単純に11レース開催へ減らさなかったことだ。

JRAの規定では、出馬投票によって1競走が取りやめになった場合、別の平地一般競走に16頭以上の申し込みがあれば、1日のレース数が12を超えない範囲で、その中から申し込みが最も多い競走を2つに分割できる。

今回、4Rの3歳未勝利・芝1400mには当初28頭が出馬投票し、再投票を含めると30頭が対象となった。そこで30頭を15頭ずつに分け、2Rと4Rの2競走として実施した。

つまり、

当初の予定変更後
2R 2歳未勝利・芝2000m2R 3歳未勝利・芝1400m「分割B」
4R 3歳未勝利・芝1400m4R 3歳未勝利・芝1400m「分割A」

という変更だった。

「A」「B」はレースの格や強さを意味するものではない。JRAの規定に従って対象馬を抽選で振り分け、同じ距離、同じ競走条件、同じ本賞金で別々のレースを行う仕組みである。

2009年にも頭数不足で競走取りやめ

出走頭数不足による競走取りやめ自体も極めて珍しい。

直近の例は2009年9月13日の新潟4R。この時も予定されていた競走が頭数不足で成立しなかったが、分割できるほど申し込みの多い別競走がなかったため、その日は1レース減らして全11競走で開催された。

つまり今回の中京は、競走取りやめとしては17年ぶりとなる。

分割競走は2003年以来約23年ぶり

さらに珍しいのが「分割競走」まで発生したことだ。

前回は2003年9月20日の札幌競馬。当初5Rに予定されていた2歳新馬戦が頭数不足で取りやめとなり、申し込みの多かった3歳未勝利戦を5Rと6Rへ分割して実施した。

今回とほぼ同じく、「若い馬の競走に頭数が集まらず、一方で3歳未勝利に多数の出走希望馬が集中した」という構図だった。

特に夏から秋にかけての3歳未勝利戦は、未勝利番組の終了が近づくため出走希望が集中しやすい。対照的に2歳戦はデビュー直後で、距離によっては対象馬が極端に少なくなる。この需給のアンバランスが、今回の23年ぶりの分割競走を生んだとも言える。

「2Rがなくなった」のに2Rは開催された

少し分かりにくいのが、ニュースでは「中京2R取りやめ」と報じられながら、実際には8月15日に中京2Rが行われている点だ。

正確には、当初2Rとして編成されていた「2歳未勝利・芝2000m」が取りやめになったのであり、「2R」というレース番号自体が消えたわけではない。

空いた2Rの枠へ、4Rの3歳未勝利を分割した「分割B」が入ったため、結果的には通常通り12レース開催となった。

出走馬が多すぎて除外されるレースは日常的に存在する一方、少なすぎてレースそのものが成立しないケースは現在の中央競馬では非常に珍しい。さらに余った一枠を別の競走の分割で埋めるという制度まで発動したことで、2026年8月15日の中京競馬はJRAの番組編成ルールが実際に動く貴重な一日となった。

 

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