2026年ヴェルメイユ賞展望|サンリー、スパランヌアを中心に13頭が凱旋門賞への切符を争う

9月6日、パリロンシャン競馬場でヴェルメイユ賞(G1、芝2400メートル)が行われる。3歳以上の牝馬による欧州屈指の中長距離G1で、総賞金は60万ユーロ。フランスギャロが「Qatar Arc Trials」の一戦に位置付けており、勝ち馬には10月4日の凱旋門賞へ向けたワイルドカードが与えられる。今年の出走予定馬はタッティコラム、サンリー、ユーボア、スルヴィー、ラビッツフット、ピンクパンテラ、ボタゴズ、ビューティファイ、コンポージング、スパランヌア、ラポテオーズ、ハビビ、シュガーアイランドの13頭。絶対的なG1王者こそ不在だが、ここを勝てば凱旋門賞戦線の新たな有力馬となり得る興味深い顔触れとなった。
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Toggleサンリーがフランス古馬勢の中心
現時点で最も高く評価したいのはサンリー。フランシスアンリ・グラファール厩舎の4歳牝馬で、昨年はロワイヨモン賞を勝ち、マルレ賞でも2着。今年はアレフランス賞を制して始動すると、コリーダ賞では昨年のヴェルメイユ賞馬アヴァンチュールの2着。さらに前走サンクルー大賞では牡馬のトップクラスを相手に、カランダガン、クアリフィカーに続く3着へ食い込んだ。
特にサンクルー大賞は2400メートルのG1で、直線では一時勝利も感じさせる内容。グラファール師もレース後に高く評価しており、距離適性は完全に証明された。パリロンシャン経験も豊富で、速い馬場でも力を出せる。ここを勝てば凱旋門賞でも侮れない存在になる。
急上昇スパランヌアはG1初制覇目前
最大のライバルはアイルランドのスパランヌア。キャリアをスタートしたのは今年になってからだが、わずか数カ月でトップクラスまで駆け上がった。マンスターオークスを勝った後、愛オークスではヨハンナウォルシュの3着。そして前走ヨークシャーオークスでは、キングジョージを制したカロパナを最後まで追い詰め、わずか短頭差の2着だった。
しかもヨークでは古馬の一流牝馬を相手にしながら、ゴール前では最も勢いのある伸びを見せている。2400メートルと多少時計のかかる馬場への適性も高く、3歳秋を迎えてさらに上積みが見込める。実績ではサンリーだが、勢いならスパランヌア。今回最もG1初制覇へ近い一頭と言っていい。
ピンクパンテラはフランス3歳牝馬の意地
地元3歳勢ではピンクパンテラが有力だ。春までは条件戦中心だったが、5月にリステッドを勝つと、仏オークスでは大外から追い込み、ダイヤモンドネックレスと短首差の2着。続くパリロンシャン2400メートルのマルレ賞でもベーライナに首差まで迫った。
G1、G2で連続2着という成績以上に、相手なりに確実に末脚を使えるのが魅力。すでに今回と同じパリロンシャン2400メートルを経験している点も強い。前走から間隔を取ってヴェルメイユ賞一本に照準を合わせてきたローテーションも好感が持てる。
ラビッツフットは遅れてきた強豪候補
4歳ラビッツフットも上昇度では負けていない。昨年から重賞で善戦を続け、今年は2400メートルのリステッドを差し切ると、8月のポモーヌ賞では2500メートルを制して重賞初勝利。これで今季は2400~2500メートルで連勝となった。
最大の特徴はスタミナと最後まで衰えない末脚。今回一気にG1へ相手が強化されるものの、距離適性ではメンバー上位で、消耗戦になればさらに面白い。サンリーと同じグラファール厩舎だけに、陣営がどのような形で2頭を運ぶかもポイントになる。
スルヴィー、タッティコラムにも十分な資格
実績で見逃せないのがスルヴィー。昨年のヴェルメイユ賞4着馬で、今年は英国やサウジアラビアを転戦した後、夏のアメリカで2400メートルの大レースを制した。欧米双方で結果を出してきた経験は大きく、2400メートルで時計を要する状況なら上位争いまで期待できる。
タッティコラムは7月の2400メートルG2を快勝し、前走ヨークシャーオークスでも5着。カロパナ、スパランヌアら強豪を相手にした経験は今回につながる。ラポテオーズもドイツオークス2着で、2400メートルへの適性は確か。勝ち馬ソレアンガには3馬身半離されたが、フランスへ戻ってどこまで差を詰めるか注目したい。
ボタゴズ、ハビビにも3歳馬の魅力
ボタゴズはまだキャリアが浅く、6月に英国の2000メートルG3を勝利。続くナッソーSでは4着だった。今回は初めての2400メートルが課題となるが、底を見せ切っていない魅力がある。
ハビビは仏オークス4着馬。ピンクパンテラには先着を許したものの、G1で上位争いした実績は今回なら軽視できない。ユーボアはコリーダ賞3着、ポモーヌ賞4着と安定しているが、G1を勝ち切るにはさらなる上積みが必要だろう。ビューティファイ、コンポージング、シュガーアイランドのエイダン・オブライエン勢も参戦するが、今年の成績からは一変が必要。特にシュガーアイランドは道悪実績があり、雨が降れば評価を上げたい。
展開予想と結論
13頭と頭数がそろったことで、少頭数になりやすい欧州の2400メートル戦としては展開の紛れも生まれそうだ。前で流れを作る馬を見ながらサンリーが好位、スパランヌアやピンクパンテラは中団以降から長く脚を使う形が理想だろう。直線だけの瞬発力勝負ならサンリー、早めにペースが上がるスタミナ戦ならスパランヌアやラビッツフットの評価が高まる。
本命候補はサンリー。サンクルー大賞3着の内容をそのまま評価すれば、今回の牝馬限定戦では地力最上位とみる。対抗はヨークシャーオークスでG1制覇寸前まで迫ったスパランヌア。続いてピンクパンテラ、ラビッツフット、スルヴィー。凱旋門賞の有力馬が直接集結した一戦ではないからこそ、ここから一気に秋の主役へ浮上する馬が現れる可能性があるヴェルメイユ賞となった。
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