10月17日(土)、オーストラリア・ロイヤルランドウィック競馬場で「ジ・エベレスト(G1・芝1200m)」が行われる。総賞金2000万豪ドルを誇る世界最高賞金クラスの芝スプリントで、今年最大の注目は香港のカーインライジング。2025年のジ・エベレストを制した世界最高評価のスプリンターが、21連勝という圧倒的な成績を引っ提げて大会連覇を狙う。

ジ・エベレスト2026基本情報

項目内容
開催日2026年10月17日(土)
競馬場ロイヤルランドウィック競馬場
距離芝1200m
条件3歳以上・定量
出走頭数最大12頭
総賞金2000万豪ドル
1着賞金700万豪ドル
前年優勝馬カーインライジング

ジ・エベレストは通常の重賞と異なり、12の「スロット」を保有する権利者が出走馬を選ぶ独特の方式を採用する。今年はカーインライジングをはじめ、前年2着テンプテッド、3着ジミースターなどが再び顔をそろえる。

カーインライジングが断然の中心

優勝候補の中心は文句なしにカーインライジング。

2025年のジ・エベレストでは7番ゲートから好位で運び、直線で抜け出してテンプテッドに1.15馬身差をつけて優勝。香港調教馬として初めてジ・エベレストを制した。

その後も香港で連勝を重ね、2026年9月6日の始動戦・香港特別行政区行政長官盃では135ポンドという重量を背負いながら、2着コーパートナープランスに7馬身3/4差。シャティン芝1200mを1分06秒11という驚異的なコースレコードで走破した。

これで連勝は「21」。国際レーティング135を獲得し、スプリンターの枠を超えて世界最高評価の競走馬となっている。

トレーナーのデヴィッド・ヘイズ師は、今年のカーインライジングについて「昨年より良くなっている」と評価。昨年一度シドニー遠征を経験していることも大きく、輸送や現地環境への対応という点でも昨年以上の準備ができている。

直前トライアルは2着も心配なし

10月6日には本番と同じランドウィックで1000mのバリアトライアルに出走。Soft 7の軟らかい馬場で先行し、最後はニンジャにわずかに交わされて2着だった。

ただし、これは本番10日前の調整目的。昨年も本番前のトライアルでは3着に敗れながら、ジ・エベレストでは圧勝している。

Z.パートン騎手も「もっと硬い馬場の方が合う」としながら、並ばれた際にカーインライジングが再び反応した点を評価。翌朝も脚元、食欲とも問題なく、陣営は予定通り本番へ向かうとしている。

唯一気になるのは当日の馬場。高速馬場なら圧倒的な能力を発揮できる一方、雨によって大きく悪化すれば、他馬との差が縮まる可能性がある。

最大の対抗はテンプテッド

カーインライジング最大のライバルと見られているのがテンプテッド。

昨年のジ・エベレストでは3歳牝馬としてカーインライジングの2着。その後はさらに成長し、今年はここまで無敗。9月のコンコルドSを快勝すると、10月3日のプレミアSでも後方から一気に抜け出し、サヴィーハリーに3馬身差をつけて圧勝した。

今年5戦5勝で、最新オッズも約6倍まで短縮。C.マー厩舎も「カーインライジングが最高の走りをすれば勝つだろう」と認めながら、相手が100%でなければ逆転できるという評価をしている。

前年から成長しているという意味では、最も怖い存在だ。

ジミースターもG1勝ちから参戦

前年3着のジミースターも再びカーインライジングへ挑む。

前走マニカトSでは後方から豪快に差し切り、G1通算4勝目を達成。本番ではN.ローウィラー騎手との新コンビとなる。

昨年はカーインライジング、テンプテッドに続く3着だったが、今年はG1勝利直後という理想的な状態。市場では約13倍の3番人気で、上位2頭に何かあれば勝利まで届く実力を持つ。

ジョリースター、ニンジャにも注目

ジョリースターは今年のカンタベリーS、TJスミスSを制したオーストラリア屈指のスプリンター。昨年のジ・エベレストでも5着に入っており、ランドウィック1200mの実績は十分。現在は約17倍前後の評価となっている。

面白い存在がニンジャ。カーインライジングが出走した10月6日のトライアルでは最後に並びかけ、そのまま先着した。もちろん本番とトライアルでは条件が全く異なるが、調子の良さを示したことは間違いない。

さらに2022年覇者ギガキック、ニュー​​マーケットH勝ちのカバラス、ヘッドウォール、ブルードア、スパイシーマティーニ、サヴィーハリーなども出走予定。残るYulongのスロットには前走G1サー・ルパート・クラークSを制したエンジェルキャピタルが最有力となっている。

最新オッズはカーインライジング1.35倍

10月8日時点の海外市場では、カーインライジングが完全な一本かぶりとなっている。

馬名主なオッズ
カーインライジング1.35倍
テンプテッド6.0倍
ジミースター13倍
ジョリースター17倍
ニンジャ21倍
エンジェルキャピタル26倍
ヘッドウォール26倍
ブルードア34倍
ギガキック51倍
サヴィーハリー51倍
スパイシーマティーニ51倍
カバラス101倍

※オッズは変動する。また最終出走馬・枠順確定前の前売り市場。

展望の鍵は「馬場」とカーインライジング包囲網

能力比較だけならカーインライジングが明確に一枚上。21連勝中で、今年初戦では自らのコースレコードを大幅に更新している。昨年より成長しているという陣営の評価まで考えれば、良馬場なら連覇の可能性は非常に高い。

一方、波乱があるとすれば雨。ランドウィックがSoft~Heavyまで悪化すれば、カーインライジングにとって未知の要素が増える。その場合は道悪実績のあるギガキックなどにもチャンスが生まれる。

そして最大の対抗テンプテッドが前年からどこまで差を縮めたか。カーインライジングが世界最強の力を再び見せつけるのか、それともオーストラリア勢が地元で王座を奪還するのか。世界最高峰のスプリント決戦に注目したい。

 

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