日本の地方競馬における各地のダービー・優駿競走をわかりやすく解説

日本の地方競馬では、かつて各地区で「○○ダービー」と呼ばれる3歳馬の世代頂上決戦が行われていました。
しかし、2024年から3歳ダート三冠競走として「羽田盃」「東京ダービー」「ジャパンダートクラシック」が整備されたことで、地方競馬のダービー体系は大きく再編されました。
その結果、サラブレッド系の地方競馬では「ダービー」の名称は大井の「東京ダービー」に集約され、各地区の旧ダービー競走は「優駿」という名称へ変更される流れになっています。
ただし、ばんえい競馬はサラブレッド競馬とは競走体系が異なるため、「ばんえいダービー」の名称が現在も維持されています。
目次
Toggle地方競馬の主なダービー・優駿競走一覧
| 地区・主催者 | 現在の競走名 | 旧競走名・副称 | 競馬場 | 距離 | 1着賞金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 帯広 | ばんえいダービー | 名称維持 | 帯広 | ばんえい200m | 500万円 |
| 門別 | 北海優駿 | 北海優駿(ダービー) | 門別 | ダート2000m | 1500万円 |
| 岩手 | 東北優駿 | 東北優駿(岩手ダービー) | 水沢・盛岡 | ダート2000m | 1500万円 |
| 南関東 | 東京ダービー | 名称維持 | 大井 | ダート2000m | 1億円 |
| 金沢 | 石川優駿 | 石川ダービー | 金沢 | ダート2000m | 1000万円 |
| 東海 | 東海優駿 | 東海ダービー | 名古屋 | ダート2100m | 1500万円 |
| 兵庫 | 兵庫優駿 | 兵庫ダービー | 園田・姫路 | ダート1870m | 2000万円 |
| 高知 | 高知優駿 | 黒潮ダービー | 高知 | ダート1900m | 1600万円 |
| 佐賀 | 九州優駿栄城賞 | 九州ダービー栄城賞 | 佐賀 | ダート2000m | 2000万円 |
帯広:ばんえいダービー
帯広競馬場で行われる「ばんえいダービー」は、ばんえい競馬における3歳世代の頂点を決める大一番です。
サラブレッドがスピードを競う平地競走とは異なり、ばんえい競馬では重量物を載せたそりを引き、直線200mのコースに設けられた2つの障害を越えて勝負します。
ばんえいダービーは、サラブレッド系の地方競馬におけるダービー名称再編の対象外であり、現在も「ダービー」の名称が維持されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 競走名 | ばんえいダービー |
| 競馬場 | 帯広競馬場 |
| 距離 | ばんえい200m |
| 1着賞金 | 500万円 |
| 特徴 | ばんえい3歳世代の最高峰 |
3歳戦としては非常に重い重量を背負うため、スピードだけでなく、パワー、持久力、障害を越える精神力が問われます。
門別:北海優駿
ホッカイドウ競馬の3歳クラシックを代表する競走が「北海優駿」です。
門別競馬場のダート2000mで行われ、北海道3歳三冠路線の重要な一戦に位置づけられています。
かつては「北海優駿(ダービー)」として親しまれていましたが、現在は「北海優駿」として施行されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 競走名 | 北海優駿 |
| 旧表記 | 北海優駿(ダービー) |
| 競馬場 | 門別競馬場 |
| 距離 | ダート2000m |
| 1着賞金 | 1500万円 |
| 特徴 | 北海道3歳路線の中心競走 |
門別は2歳戦のレベルが高く、早期から素質馬が集まりやすい競馬場です。そのため、北海優駿は北海道所属馬の世代能力を測る重要なレースといえます。
岩手:東北優駿
岩手競馬の3歳世代頂上決戦が「東北優駿」です。
かつては「岩手ダービー」の副称でも知られていましたが、ダービー名称の再編により、現在は「東北優駿」として行われています。
主に水沢競馬場のダート2000mで施行され、岩手所属の3歳馬にとって大きな目標となる競走です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 競走名 | 東北優駿 |
| 旧表記 | 東北優駿(岩手ダービー) |
| 競馬場 | 水沢・盛岡 |
| 距離 | ダート2000m |
| 1着賞金 | 1500万円 |
| 特徴 | 岩手3歳世代の最高峰 |
近年は賞金が大きく引き上げられており、地方競馬全体の賞金水準向上を象徴するレースのひとつです。
南関東:東京ダービー
地方競馬におけるダービーの中心に位置づけられるのが、大井競馬場の「東京ダービー」です。
2024年からはダートグレード競走のJpnIに昇格し、1着賞金は1億円となりました。
これにより、東京ダービーは南関東のローカルクラシックから、全国の3歳ダート馬が目指す全日本的な頂上決戦へと生まれ変わりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 競走名 | 東京ダービー |
| 競馬場 | 大井競馬場 |
| 格付け | JpnI |
| 距離 | ダート2000m |
| 1着賞金 | 1億円 |
| 特徴 | 3歳ダート三冠の中心競走 |
現在の地方競馬において、サラブレッド系で「ダービー」の名称を維持する最も重要な競走が東京ダービーです。
羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートクラシックで構成される3歳ダート三冠の中でも、特に大きな注目を集めるレースです。
金沢:石川優駿
金沢競馬の3歳世代ナンバーワンを決める競走が「石川優駿」です。
かつては「石川ダービー」として行われていましたが、現在は「石川優駿」に改称されています。
金沢競馬場のダート2000mで行われ、北陸地区の若駒にとって大きな目標となる一戦です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 競走名 | 石川優駿 |
| 旧競走名 | 石川ダービー |
| 競馬場 | 金沢競馬場 |
| 距離 | ダート2000m |
| 1着賞金 | 1000万円 |
| 特徴 | 金沢3歳世代の頂点を決める競走 |
過去には、のちに全国区で活躍する馬も出ており、北陸地区の3歳路線を語るうえで欠かせない競走です。
東海:東海優駿
東海地区の3歳馬にとって最大目標となるのが、名古屋競馬場で行われる「東海優駿」です。
旧称は「東海ダービー」で、2024年の再編により「東海優駿」へ改称されました。
名古屋競馬場のダート2100mで行われ、他地区の優駿競走と比べても距離が長く、スタミナと持続力が問われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 競走名 | 東海優駿 |
| 旧競走名 | 東海ダービー |
| 競馬場 | 名古屋競馬場 |
| 距離 | ダート2100m |
| 1着賞金 | 1500万円 |
| 特徴 | 東海3歳馬のスタミナ決戦 |
名古屋・笠松所属馬を中心に、東海地区の世代最強馬を決める重要なレースです。
兵庫:兵庫優駿
園田競馬場を中心に行われる兵庫競馬の3歳頂上決戦が「兵庫優駿」です。
旧称は「兵庫ダービー」で、現在は「兵庫優駿」として施行されています。
距離はダート1870m、1着賞金は2000万円と高額で、兵庫3歳路線の中心的な競走です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 競走名 | 兵庫優駿 |
| 旧競走名 | 兵庫ダービー |
| 競馬場 | 園田・姫路 |
| 距離 | ダート1870m |
| 1着賞金 | 2000万円 |
| 特徴 | 兵庫3歳世代の最高峰 |
兵庫は地方競馬の中でも層が厚く、ここを勝った馬は全国交流や大井の大舞台でも注目されやすくなります。
高知:高知優駿
高知競馬の3歳世代頂上決戦が「高知優駿」です。
かつては「黒潮ダービー」の副称でも知られていましたが、現在は「高知優駿」として行われています。
高知競馬場のダート1900mで行われ、1着賞金は1600万円です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 競走名 | 高知優駿 |
| 旧副称 | 黒潮ダービー |
| 競馬場 | 高知競馬場 |
| 距離 | ダート1900m |
| 1着賞金 | 1600万円 |
| 特徴 | 高知3歳路線の最高峰 |
近年の高知競馬は売上・賞金水準が大きく上がっており、高知優駿も地方全国交流重賞として存在感を高めています。
佐賀:九州優駿栄城賞
佐賀競馬の3歳世代最高峰が「九州優駿栄城賞」です。
もともとは「栄城賞」として長い歴史を持ち、のちに「九州ダービー栄城賞」として親しまれてきました。
現在は「九州優駿栄城賞」として、佐賀競馬場のダート2000mで行われています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 競走名 | 九州優駿栄城賞 |
| 旧競走名 | 九州ダービー栄城賞 |
| 競馬場 | 佐賀競馬場 |
| 距離 | ダート2000m |
| 1着賞金 | 2000万円 |
| 特徴 | 九州3歳クラシックの頂点 |
佐賀競馬における3歳馬の最大目標であり、九州地区のダートクラシックを象徴する競走です。
各地の優駿競走から見える地方競馬の変化
各地のダービー・優駿競走を見ると、地方競馬の3歳路線が大きく再編されたことがわかります。
かつては各地区のダービーが地域ごとの世代王者を決める役割を担っていましたが、現在は大井の東京ダービーを頂点とする全国的な3歳ダート路線の中に再配置されています。
その一方で、各地区の優駿競走は地域の世代チャンピオン決定戦としての役割を保っています。
つまり、現在の地方競馬では、各地の優駿競走が「地域の最高峰」であると同時に、「全国レベルへの挑戦権を得るための重要なステップ」として機能しているのです。
まとめ
地方競馬のダービー体系は、2024年の3歳ダート三冠整備によって大きく変わりました。
サラブレッド系地方競馬では「ダービー」の名称が大井の東京ダービーへ集約され、各地区の旧ダービー競走は「優駿」として再編されました。
一方で、帯広のばんえいダービーは、サラブレッド競馬とは異なる独自体系のため、現在も名称を維持しています。
門別の北海優駿、岩手の東北優駿、金沢の石川優駿、名古屋の東海優駿、園田の兵庫優駿、高知の高知優駿、佐賀の九州優駿栄城賞はいずれも、各地区の3歳世代を代表する重要競走です。
これらのレースは、地域のクラシックとしての伝統を残しながら、東京ダービーやジャパンダートクラシックへつながる新しい地方競馬のピラミッドの中で、より重要な役割を担うようになっています。
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