10月4日にフランス・パリロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞(G1・芝2400m)への出走を目指しているベイシティローラー。今年6月のコロネーションCでは世界トップクラスを相手に10馬身差の圧勝を演じ、一気に凱旋門賞候補へ浮上した。最大の特徴は力の要る馬場での強さ。陣営も秋最大の目標として凱旋門賞を掲げてきたが、現在のロンシャンが例年以上に乾燥しているため、最終的な出否は今後の降雨量に左右される。

ニューベイ産駒の4歳牡馬

ベイシティローラーは2022年2月6日生まれの4歳牡馬。父ニューベイ、母ブルームフィールド、母父テオフィロという血統で、英国のジョージ・スコット厩舎に所属している。

2歳時にはG2シャンペンSを制し、3戦3勝でシーズンを終了。3歳となった2025年は勝ち切れない競馬が続いたものの、フランスを中心に強豪相手へ挑み続けた。

サンクルーのG2ウジェーヌアダム賞では、後に凱旋門賞を制するダリズの2着。9月のニエル賞でもパリロンシャン2400mを走り、キュアリファイアーに短アタマ差の2着まで迫った。

その後も凱旋門賞当日のG2ドラール賞で2着、コンセイユドパリ賞4着を経て、11月のドイツ・バイエルン大賞で大きく飛躍。軟らかい馬場の2400mで後続を7馬身突き放し、G1初勝利を挙げた。

2026年コロネーションCを10馬身差で圧勝

4歳となった今年は5月のG2ハクスリーSから始動。前年の英ダービー馬ランボーンにクビ差まで迫る2着に入り、続くタタソールズゴールドCでもアルマカムに2馬身差の2着と安定した内容を見せた。

そして評価を決定的に高めたのが6月6日のコロネーションCだった。

エプソムの芝約2400m、雨によって軟らかくなった馬場でオイシン・マーフィー騎手が好位から運ぶと、直線では他馬とは明らかに違う脚色で抜け出した。前年のコロネーションC覇者ジャンブリューゲルに10馬身差、さらに前年英ダービー馬ランボーンも大きく引き離して圧勝。2025年の世界最高レーティング馬カランダガンも4着に退けた。

バイエルン大賞に続くG1・2勝目となり、2400mと軟らかい馬場という条件では欧州トップクラスの能力があることを証明した。

前走フォワ賞はダリズの2着

コロネーションC後は夏場を休養し、9月6日のG2フォワ賞から始動。凱旋門賞と全く同じパリロンシャン芝2400mで、前年の凱旋門賞馬ダリズと直接対決した。

ベイシティローラーは逃げてレースを作り、直線でも粘ったが、最後はダリズにかわされ1馬身3/4差の2着。それでも約3カ月ぶりの実戦としては十分な内容だった。

スコット調教師も「マーフィー騎手は非常に満足している」と評価。前哨戦として状態を上げることが目的だったこともあり、この敗戦で凱旋門賞への評価を大幅に下げる必要はない。

さらに9月下旬のニューマーケットで行われた調教でも、先行する馬を余裕を持って突き放す動きを披露。陣営は「これまで休み明けでここまで良い状態だったことはない」と話しており、馬自身の状態は順調だ。

凱旋門賞最大の鍵は「雨」

ベイシティローラーの評価を大きく左右するのが馬場状態だ。

G1を制したバイエルン大賞とコロネーションCはいずれも軟らかい馬場。特にコロネーションCの10馬身差勝ちは、道悪になることで能力が一段上がることを印象付けた。

フォワ賞後にもスコット師は「雨が降ればまったく違う馬になる」とコメントしている。

一方、2026年9月のパリは異例とも言える乾燥状態が続いており、ロンシャンでは9月下旬までほとんど雨が降っていない。陣営は人工的な散水による馬場では出走させず、まとまった自然の雨が必要との姿勢を示している。

9月24日時点では天気予報に雨の可能性が出てきたことから、スコット師は凱旋門賞出走の可能性を「75%程度」としている。雨が不足した場合は凱旋門賞を回避し、10月17日の英チャンピオンSへ向かう予定だ。

凱旋門賞での有力度は?

ベイシティローラーには凱旋門賞と同じ2400mでG1・2勝、さらにパリロンシャンでは昨年のニエル賞2着、今年のフォワ賞2着という実績がある。距離やコースへの不安は小さい。

最大の課題はダリズとの力関係。前走フォワ賞では同じ斤量で明確に差を付けられており、現時点では前年覇者ダリズの方が一枚上と見るのが自然だ。

ただしフォワ賞は良~稍重程度の馬場だった。雨が降ってコロネーションCのような力の要る馬場まで悪化すれば、両馬の差が縮まる可能性は十分ある。

現地前売りオッズでは16倍前後。ダリズ、マルティーズクロス、カルパナ、サンダリングオンなどの上位勢に続く評価となっている。

良馬場なら有力馬の一頭という位置付けだが、道悪になれば一気に存在感が増すタイプ。凱旋門賞当週の天気と馬場状態が、ベイシティローラーにとって他のどの有力馬以上に重要なポイントとなりそうだ。

凱旋門賞2026 有力度:★★★☆☆(有力な伏兵候補)

 

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