スポーツや公営競技における賭けの仕組みには、大きく分けて「パリミュチュエル方式」と「ブックメーカー方式」があります。

日本の競馬・競輪・ボートレース・オートレースなどの公営競技では、基本的に「パリミュチュエル方式」が採用されています。一方、海外のスポーツベッティングなどでよく見られるのが「ブックメーカー方式」です。

どちらも「結果を予想して投票する」という点では似ていますが、オッズの決まり方、主催者のリスク、利用者が意識すべきポイントは大きく異なります。

パリミュチュエル方式とは?

パリミュチュエル方式とは、参加者全員の投票金額をひとつのプールに集め、そこから主催者が一定割合を控除し、残った金額を的中者で分配する方式です。

簡単にいえば、「当たった人たちで賞金を分け合う仕組み」です。

日本の競馬、競輪、ボートレース、オートレースなどの公営競技では、このパリミュチュエル方式が採用されています。

パリミュチュエル方式の特徴

  • オッズは投票締切後に最終確定する
  • 購入時点のオッズはあくまで目安
  • 的中者が多いほど配当は低くなる
  • 的中者が少ないほど配当は高くなる
  • 主催者は売上から一定割合を控除するため、原則として赤字になりにくい

たとえば、あるレースで特定の組み合わせに人気が集中すると、その組み合わせが的中した場合の配当は低くなります。逆に、あまり買われていない組み合わせが的中すると、高配当になりやすくなります。

ブックメーカー方式とは?

ブックメーカー方式とは、ブックメーカーと呼ばれる業者が、あらかじめ独自にオッズを設定し、参加者がそのオッズに対してベットする方式です。

パリミュチュエル方式と大きく違うのは、購入時点でオッズが確定する点です。

つまり、ベットした後にオッズが変動しても、的中した場合は購入時点のオッズに基づいて配当が支払われます。

ブックメーカー方式の特徴

  • オッズは業者が独自に設定する
  • 購入時点で配当倍率が確定する
  • 参加者は他の参加者ではなく、ブックメーカーが提示するオッズと向き合う
  • ブックメーカー側は、賭けの偏りによって損失を出すリスクがある
  • 海外ではスポーツベッティングなどで広く利用されている

ブックメーカーは、単に勘でオッズを決めているわけではありません。試合結果の確率、参加者のベット状況、利益率、他社との競争などを考慮してオッズを設定します。

パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の比較

比較項目パリミュチュエル方式ブックメーカー方式
オッズの決まり方参加者全体の投票金額によって決まる業者が独自に設定する
オッズ確定のタイミング投票締切後に確定購入時点で確定
参加者の競争相手他の参加者ブックメーカー
主催者のリスク原則として赤字リスクは小さい賭けの偏りによって損失リスクがある
代表例日本の競馬・競輪・ボートレース・オートレースなど海外のスポーツベッティングなど
日本国内での位置づけ公営競技法に基づき合法的に運営日本国内からの利用は違法となる可能性が高い

初心者向けに見る一番大きな違い

初心者向けに一言でまとめると、以下のようになります。

  • パリミュチュエル方式:みんなでお金を出し合い、当たった人で分ける方式
  • ブックメーカー方式:業者が決めたオッズに対して賭ける方式

日本の公営競技で見慣れているオッズは、基本的にパリミュチュエル方式です。そのため、締切直前にオッズが大きく動くことがあります。

一方、ブックメーカー方式では購入時点のオッズが固定されるため、後からオッズが変わっても自分の配当倍率は変わりません。

パリミュチュエル方式のメリット

  • 主催者が一方的にオッズを決めるわけではない
  • 参加者全体の投票行動によって配当が決まる
  • 公営競技として制度化されており、運営ルールが明確
  • 主催者の赤字リスクが小さく、安定運営しやすい

パリミュチュエル方式では、主催者が「この選手は何倍」と直接決めるのではなく、参加者全体の投票バランスによってオッズが決まります。

そのため、予想する側は「どの選手が強いか」だけでなく、「他の人がどこに投票しているか」も重要になります。

パリミュチュエル方式の注意点

  • 購入時点のオッズで配当が確定するわけではない
  • 締切直前の大量投票でオッズが大きく変わることがある
  • 人気が集中すると、的中しても配当が低くなる
  • 10円未満の端数切り捨てにより、実質的な控除率が変わる場合がある

特に低配当のレースでは、端数処理の影響で実質的な取り分が想定より少なくなる場合があります。

また、購入時点では高配当だと思っていても、締切後にはオッズが下がっていることもあります。

ブックメーカー方式のメリット

  • 購入時点でオッズが確定する
  • 複数の業者を比較して有利なオッズを探せる
  • 海外ではスポーツ、政治、エンタメなど幅広い対象に賭けられる
  • ライブベッティングなど、試合中にオッズが変動する仕組みもある

ブックメーカー方式では、オッズが商品として提示されます。そのため、参加者は「このオッズなら買う価値があるか」を判断します。

上級者にとっては、各社のオッズ差を比較し、期待値の高い対象を探すことが重要になります。

ブックメーカー方式の注意点

  • ブックメーカー側が利益を出すようにオッズが設定されている
  • 特定の結果に賭けが集中すると、オッズが大きく変動する
  • 出走取消や中止時の扱いが日本の公営競技と異なる場合がある
  • 日本国内から海外ブックメーカーを利用すると違法となる可能性が高い

海外では合法的に運営されているブックメーカーであっても、日本国内から利用すれば日本の法律に抵触する可能性があります。

「海外サイトだから大丈夫」「個人利用なら問題ない」と考えるのは危険です。

日本ではなぜパリミュチュエル方式が中心なのか

日本では、賭博行為は原則として刑法で禁止されています。

ただし、競馬法、自転車競技法、モーターボート競走法、小型自動車競走法など、個別の法律によって認められた公営競技については、例外的に合法として運営されています。

これらの公営競技でパリミュチュエル方式が採用されているのは、主催者が恣意的にオッズを決めるのではなく、参加者全体の投票結果に基づいて機械的に配当を算出できるためです。

また、売上から一定の控除率を差し引く仕組みであるため、主催者の収支が安定しやすく、公共財源としても管理しやすいという特徴があります。

日本の公営競技における払戻率の例

日本の公営競技では、賭式によって払戻率や控除率が異なる場合があります。以下は、競馬における代表的な例です。

投票法払戻率控除率
単勝・複勝80.00%20.00%
枠連・馬連・ワイド77.50%22.50%
馬単・3連複75.00%25.00%
3連単72.50%27.50%
WIN570.00%30.00%

払戻率が高いほど、購入者側に戻る金額の割合が大きくなります。一方、控除率が高いほど、主催者側に残る割合が大きくなります。

的中者がいない場合はどうなる?

パリミュチュエル方式では、的中者がいない場合の処理として、主に「特払い」と「キャリーオーバー」があります。

特払いとは

特払いとは、的中者がいない場合に、その賭式を購入していた人へ一定額を払い戻す制度です。

日本の公営競技では、的中者がいない場合に1口あたり一定額が払い戻されるケースがあります。

キャリーオーバーとは

キャリーオーバーとは、的中者がいなかった場合に、払い戻されるはずだった金額を次回に繰り越す仕組みです。

スポーツ振興くじや一部の重勝式では、このキャリーオーバーによって高額配当が発生することがあります。

上級者向け:本質的な違いは「誰と戦っているか」

上級者向けに見ると、パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の最大の違いは、「誰と戦っているか」です。

方式実質的な競争相手重要な考え方
パリミュチュエル方式他の参加者人気と実力のズレを見つける
ブックメーカー方式ブックメーカー提示オッズが妥当かを見極める

パリミュチュエル方式では、他の参加者が過小評価している選手や買い目を見つけることが重要です。

たとえば、実力の割に人気が低い選手がいれば、期待値のある投票対象になる可能性があります。

一方、ブックメーカー方式では、業者が提示しているオッズが本来の確率に対して高いか低いかを見極める必要があります。

日本国内で海外ブックメーカーを利用してもいい?

日本国内から海外オンラインブックメーカーを利用することは、違法となる可能性が高い行為です。

海外の事業者が現地で合法的にライセンスを取得している場合でも、日本国内からアクセスして金銭を賭ける行為は、日本の賭博罪に該当する可能性があります。

また、VPNを使って海外から接続しているように見せかけたとしても、日本国内で賭けの操作を行っている場合、違法性がなくなるわけではありません。

そのため、日本国内に住んでいる人が海外ブックメーカーを利用することは避けるべきです。

初心者向けまとめ

  • 日本の公営競技は基本的にパリミュチュエル方式
  • パリミュチュエル方式では、オッズは締切後に確定する
  • ブックメーカー方式では、購入時点でオッズが確定する
  • パリミュチュエル方式の相手は他の参加者
  • ブックメーカー方式の相手はオッズを出す業者
  • 海外ブックメーカーを日本国内から利用するのは違法となる可能性が高い

上級者向けまとめ

  • パリミュチュエル方式では、市場の人気と実力評価のズレを探すことが重要
  • ブックメーカー方式では、業者が提示したオッズと実際の勝率のズレを探すことが重要
  • パリミュチュエル方式は主催者の赤字リスクが小さい
  • ブックメーカー方式は業者側に配当リスクがある
  • 日本の公営競技がパリミュチュエル方式を採用している背景には、法制度と公共性がある
  • 日本国内でスポーツベッティングを提供・利用する場合は、賭博罪との関係に注意が必要

まとめ

パリミュチュエル方式とブックメーカー方式は、どちらも結果を予想して投票する仕組みですが、オッズの決まり方とリスクの所在が大きく異なります。

パリミュチュエル方式は、参加者全体の投票によって配当が決まる仕組みで、日本の公営競技に広く採用されています。

一方、ブックメーカー方式は、業者が独自にオッズを提示し、購入時点で配当倍率が確定する仕組みです。海外では一般的ですが、日本国内からの利用には法的リスクがあります。

公営競技を楽しむうえでは、単にオッズを見るだけでなく、「そのオッズがどのように決まっているのか」を理解することが重要です。

特に日本では、公営競技が法律に基づいて例外的に認められている仕組みであることを理解し、必ず合法的なサービスを利用するようにしましょう。

免責事項

本記事は、パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の仕組みや違いをわかりやすく解説することを目的としたものです。特定の賭け行為、海外ブックメーカー、オンラインカジノ等の利用を推奨するものではありません。

日本国内における賭博行為は、法律により厳しく規制されています。公営競技など法律で認められたものを除き、金銭を賭ける行為は違法となる可能性があります。

法的な判断が必要な場合は、必ず弁護士などの専門家や関係機関の公式情報をご確認ください。

 

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